こんにちは、東播磨高校野球部監督の福村です。
今野球人口が低下する原因はいろいろありますが、原因の一つとしては、キャッチボールをする場所がないことと、キャッチボールを楽しむことができずに終わってしまっていること要因の一つであるように思います。
野球の指導者として携わる中で、キャッチボールに癖のある生徒を指導するケースがありますが、その癖などを修正するのは時間と労力そして精神的な面も指導者側と選手側両方に大きく影響します。野球においてキャッチボールは基本です。基本がしっかりしているかどうかは本当に大きいように思います。
投げる動作は、生まれて初めて物を投げたりする時から始まっていると考えます。子どもはその時は、「キャッチボール」をするというより「遊び」=「楽しんでいる」ということだけだと思います。
私には、2人の子供がいます。男の子です。子供が出来たら「キャッチボールしたい。」という夢がありました。そのように思っている方は多いのではないでしょうか。
親が子供と「キャッチボール」したい思いがあるように、子供も親と「キャッチボールしたい」という気持ちはあると思います。「キャッチボール」という遊びを楽しみたいという気持ちが子供にはあるのだと思います。
私自身の失敗談を言えば、子供とキャッチボールをするたびに親子喧嘩に発展していました。理由は、ただ遊びを楽しみたいという子供に対して、私は、何とかうまくさせたいという気持ちが強く、「ああしろ、こうしろ」と指導になってしまいました。楽しみたい子供と何とかしたく指導する親、これでは続くわけありません。
私の長男は、後に野球から離れることになりました。結果的に学生野球を最後までやり遂げましたが、幼少期にキャッチボールをしっかりやれなかったことも関係しますが、投球動作の修正に時間がかかりました。
その経験から次男とは、本人からの発信がない限りは、アドバイスしないように心掛けました。一点注意したことは、私自身投球動作をしっかりした状態で行うことと、しっかりとしたキャッチング(音をしっかり鳴らす)と挨拶をしっかりすることを心掛けました。
結果としては、長男より投球動作もしっかりなるようになり、幼少期から野球を遊びの一つとしてとらえ楽しむようになりました。私は、キャッチボールの楽しさ、大切さ、野球におけるキャッチボールの重要さを二人の子供たちから学びました。
「子供は親の鏡」という言葉がありますが、野球において重要な「キャッチボール」はまさにその言葉を表すものだと考えます。キャッチボールの形の手本は、その相手なのです。子供にとっては、一緒に正しくキャッチボールを行うことが一番のお手本になります。なによも大切になってくるのは、親が楽しむことだと思います。そうなれば子供も楽しくなり継続できるようになると考えます。
野球は楽しいスポーツです。そのことを忘れずに続けてもらいたいものです。
コラム記事制作者
兵庫県立東播磨高等学校 野球部監督
福村 順一(ふくむら じゅんいち)
【 経歴 】
1999年 社高等学校硬式野球部で部長・コーチに就任
2003年 加古川北高等学校硬式野球部監督に就任
2008年 同校を初めての夏の甲子園出場に導く
2011年 同校を初めての春の甲子園に導く
2014年 母校の東播磨高等学校硬式野球部監督に就任
2020年10月 秋季兵庫県高等学校野球大会 準優勝
2021年1月 二一世紀枠選出により母校東播磨高等学校の春夏通じての甲子園初出場を決める