ジュニア期におけるトレーニングとはどのようなものが良いのか
STAMP.LH 代表の藤原です。
ジュニア期に行うトレーニングについてはまず「スキャモンの発育発達曲線」を重視し、その適切な時期に対する考えを基にどのようなトレーニングを行うかを計画立てる必要があります。
「スキャモンの発育発達曲線」に示される曲線はリンパ型・神経型・一般型・生殖型に分かれ、どのパーツがどの年代に成長するかを示しています。その中で神経型いわゆる体の使い方や身のこなし方など様々な動作の習得は生まれてから5歳頃までに成人の80%の成長を遂げます。そして12歳までにはほぼ100%に達すると言われています。
またゴールデンエイジという言葉がありますがこれは9歳から12歳ごろまでの年代を指し、この時期は運動能力や身体能力が著しく発達する時期です。以上のことから、小学校低学年までのトレーニングは一つの競技に特化したトレーニングではなく、遊びや簡単な運動を通してさまざまな動きを体験させ体を動かすことの楽しさを覚えさせる方法が良いでしょう。
例えば鬼ごっこや縄跳び、プール遊びなどです。注意としはこの年代の子供は様々なことに興味がある反面、集中力がありませんのでゲーム性を重視した工夫が必要です。
次に小学校高学年は様々な動作や技術を身につけさせ脳や神経を刺激するトレーニングが良いでしょう。この年代は体格差が生じるため、体格が小さい子供は力負けを感じる場面も出てきますが、この時期に行う筋トレは「筋肉を大きくする」ことが目的ではなく、「筋肉の上手な使い方を覚える」筋トレが重要です。大人が行うような「おもり」を使用する筋トレではなく自分の体重を利用したいわゆる自重負荷でのトレーニングにより筋肉の使い方を学ばせてあげるのが最適かと思います。回数をこなすというよりは少ない回数で正しい方法を身に付けさせる方が良いでしょう。
そして中学生の年代になると筋・骨格系が発達しパワーやスピードなども成長しますのでこの時期はすでに身に付けた動作や技術を維持しながら質を高めていくトレーニングが良いでしょう。動作の反復練習を行うことで質の向上につながります。また理論的にトレーニングを考えられるようになるため指導する側も目的や方法をきっちりと伝えた上で理解させて行う方が身に付きやすいでしょう。
以上のように各年代別で身に付く能力が違うため年代を考慮したトレーニングプランを立てることが最終的にはパフォーマンス向上につながっていくことになります。
コラム記事制作者
STAMP.LH 代表
藤原 俊輔(ふじわら しゅんすけ)
【資格】
理学療法士
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)
日本テニス協会認定テニストレーナー(JTA₋CTT)
【トレーナー活動】
・兵庫県公立高校チームトレーナー
・少年野球教室の開催(トレーニングやストレッチ教室)
・国体兵庫県テニス競技チームトレーナー(2011年~)
・TOKYO2020オリンピック テニス競技選手用理学療法士
・ATP HYOGO NOAH CHALLENGER オフィシャルトレーナー
・JOCジュニアオリンピックカップ オフィシャルトレーナー
・第96回全日本テニス選手権 オフィシャルトレーナー
など