【第2回】時代変化の対応力と大切な不変の指導

こんにちは、東播磨高校野球部監督の福村です。

「今どきの子供は・・・」「俺らの時はこうやったのに」など、自分たちの時代と今の時代を比較する会話をしたり、聞いたりする機会ってありませんか?

私が教師になり野球の指導に携わるようになり四半世紀を超えました。最近つくづく年を感じます(笑)。この間たくさんの生徒と関わってきましたが、社会の変化と同じで子供たちの様子も大きく変化してきているように思います。我々指導者はこの変化に気づき対応することが求められるのではないでしょうか。指導者は、常に子供たちの変化を感じ受け入れ対応するよう心掛ける必要性があると思います。「自分たちの時、これぐらいのことはやった」「こんな練習や指導を受けた」というような経験だけで子供たちと接すると、子供たちを導き伸ばすことが指導者の役割なのですが、逆にトラブルの原因になるだけでなく子供たちの可能性や継続する気持ちをなくすことに繋がっていきます。だからと言って、精神的な指導、スキル指導において変わってはいけない事、伝えなければならない事も同時にあると思います。そういったことを指導者がもった上で指導に当たることが必要だと思います。

精神的な指導の中で私が変わらず指導し伝えといていることの一つを紹介すると、「人の気持ちを思いやり、目配り気配り、心配り」については、厳しく指導し伝えています。やはりこの部分は、子供たちが生きていく社会、変化の激しい社会だからこそ必要な部分であるとともに、野球というスポーツにおいては重要になってくるからです。私はよく「野球が上手くなりたいのなら、人の気持ちを思いやり、目配り気配り、心配りができるようになりなさい。そうすれば、野球も上達する」と指導しています。

野球はある種の心理ゲームです。相手の考えていることを理解できれば、攻め方や守り方もわかります。目配りや気配りができるということは、相手の変化などにも気づきます。当たり前のことですが、それを指導している指導者は少ないかもしれません。結果や野球だけを上達させたい気持ちが強くなりすぎるあまりにこういった当たり前のことをおろそかにし、自分たちの時代に受けた指導と感覚そして感情が走りすぎ、トラブルが起こってしまうのではないでしょうか。しいては、子供たちが野球から離れていく状況を大人が作ってしまうのではないでしょうか。

今年はWBCが開催されます。野球に興味を持ち夢や希望を胸に野球を楽しむ子供たちが増えるのではないでしょうか。その子供たちを受ける指導者の取り組みを見直したいものです。

【スキルにおけるワンポイント、バットの握り方】

バットの握りは、大きく2つのパターンがあると思います。フィンガーグリップとパームグリップ。私は、フィンガーグリップにこだわって指導します。

① 両手とも親指と人さし指の力を抜いて

② 下の手(右打者は左手、左打者は右手)をしっかり握る。特に小指と薬指でバットをしっかり持つ。中指はその握りの中で添えるだけ。

③ 下の手をリード手として考える。バットの操作性を握っている。

④ 上の手はパワー手(押し込む)小指、薬指もやや軽めに握る。インパクト前ぐらいから握る感じ。

このスキル指導はスキル指導変化の中でも変えずに指導しています。

コラム記事制作者

兵庫県立東播磨高等学校 野球部監督
福村 順一(ふくむら じゅんいち)


【 経歴 】
1999年 社高等学校硬式野球部で部長・コーチに就任
2003年 加古川北高等学校硬式野球部監督に就任
2008年 同校を初めての夏の甲子園出場に導く
2011年 同校を初めての春の甲子園に導く
2014年 母校の東播磨高等学校硬式野球部監督に就任
2020年10月 秋季兵庫県高等学校野球大会 準優勝
2021年1月 二一世紀枠選出により母校東播磨高等学校の春夏通じての甲子園初出場を決める

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One thought on “福村順一の少年野球指導論(第2回) – 時代変化の対応力と大切な不変の指導

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